widgets 2. ワーキングメモリの更新

現在実行中のタスクとの関係で入力情報をモニターし、ワーキングメモリー上の無用になった情報を新しく有用になった情報で置き換えること。ワーキングメモリの維持自身はモダリティ特異的大脳連合野(例えば、空間位置なら頭頂連合野、物体なら視覚連合野)で行われるとの説が強い。前頭前野は記憶内容の更新・操作が必要になって初めて必須になる。マカクでは繰り返し刺激を用いた遅延見本合わせ課題に前頭前野が必要であることが破壊実験で示されている。

遅延見本合わせ課題

遅延見本合わせ課題

サンプルが提示され消える。遅延後にふたつ(あるいは3以上)の選択肢が提示され、サンプルと同じ位置の選択肢あるいは同じ物体を選ぶ。物体合わせの場合は、数個以下の物体を繰り返し用いる。試行ごとに新しい物体を用いると親近性記憶(認知負荷が低い)を使って回答し、前頭前野には依存しない(周嗅野などの内側側頭葉に依存)。繰り返し使用される刺激を用いた場合には、記憶の維持だけでなく、サンプル提示時に記憶を更新する必要がある。またテスト刺激提示時には記憶内容とテスト刺激の照合を行う必要もある。遅延非見本合わせ課題ではふたつの選択肢からサンプルと異なる選択肢を選ぶ。遅延位置合わせの場合は動物が遅延期間中の手や体の位置を手掛かりにしてないことの確認が必要。