widgets 3. タスクセットの切り替え

執行機能の3番目の基本要素として Cognitive flexibility がある。Cognitive flexibility は、現在の視点とは異なる位置から見た物体像を想像する空間的 Cognitive flexibility、物事を別な側面から考える機能(thinking outside the box)、自分の考えの間違いを認めて別な考えを試すこと、などを含む。Cognitive flexibility はタスクセットの切り替えでテストされることが多い。タスクセットの切り替えでは、切り替えのたびにタスクを学習し直しているのでなく、すでに学習されたタスクの切り替えをしていることを確かめる必要がある。反応抑制の場合と異なり、同程度に容易な複数のタスクを用いる。

2次元の刺激を用いたタスク―行為マッピング規則の切り替え

タスクセットの切り替え

刺激を2次元(図形の色と形、あるいはドットパターンの色と運動方向)にし、注目すべき刺激次元を切り替える。次元ごとに、特定の刺激特徴を特定の行為(例えば異なる方向のボタン押し)にマップする。実行すべき規則(注目すべき次元)は手掛かり刺激で指定する。数十試行のブロックごとに規則を変更する場合と、試行ごとにランダムに指定する場合がある。ブロックの方が日常環境に近い。マーモセットではヒトと異なる色覚を持つ個体が多いので注意が必要。例えば Sakagami..Hikosaka (J Neurosci 21:4801, 2001), Mante..Newsome (Nature 503:78, 2013)