widgets 5. 意思決定:探索と反実仮想選択のモニター

複雑で変化する環境の中での意志決定では、搾取(exploitation)と探索(exploration)の切り替えが大きな要素である。搾取/探索の選択は反実仮想選択(counterfactual choice)のモニターと密接に関係している場合が多い。

反実仮想選択のモニター課題

反実仮想選択のモニター課題

例えば Fouragnan..Rushworth (Nat Neurosci 17:463, 2019)

マカク fMRI。3 個の標的があり、それぞれの報酬確率が独立に徐々に変わる。各試行では 3 個からランダムに選ばれた 2 個の標的だけが提示され、サルはひとつを選ぶ。

海馬の活動は非提示標的の報酬確率を表した。前帯状皮質(ACC)の活動は確率の高い方の反現実仮想標的への次試行でのスイッチを予告した。また、ACC を TUS(経頭蓋超音波刺激)で抑制すると、このスイッチが抑制された。

探索へのスイッチを研究するには、探索対象の価値予測誤差が手元の対象のそれよりずっと大きい必要があるが、これまでの脳科学実験で用いられたタスクでは必ずしもそうなっていない。また、反実仮想選択のモニターでは、間接的な証拠から仮想選択の価値を推測することが大事だが、これまでの実験では毎回、あるいはひとつ前の試行で示されていたりして不十分である。